ヘルペスのウイルスの種類はひとつじゃない!

ヘルペスの原因となるウイルスは1種類だけではなく、8種類が存在することがわかっています。同じヘルペスウイルスであっても、種類が違えば特徴も変化し、感染率や症状も全く異なるものです。

ここではヘルペスの原因となるウイルスに注目して、それぞれの違いを解説させていただきます。

感染率が最も高い単純ヘルペスウイルス!1型と2型の違いは?

一般にイメージされるヘルペスの症状と言えば、皮膚病として水ぶくれを起こすタイプのものでしょう。これは単純ヘルペスウイルス1型が原因で、口唇ヘルペスなどの皮膚に異常をもたらすものです。

感染率そのものが非常に高く、症状が現れていないだけで、日本人の過半数はこの単純ヘルペスウイルス1型にかかっていると言われています。

もう1つ感染率の高いものが単純ヘルペスウイルス2型で、こちらの感染率は1割に満たない程度と考えられています。1型が口唇や角膜といった顔面を中心に異常を起こすのに対して、2型は性器ヘルペスの原因となっているため、一種の性病として扱われることもあります。

いずれもウイルスの感染率そのものは非常に高く、それ自体に脅威を感じる必要性はありません。ほとんどの人は症状が現れることはありませんが、一度症状が現れてしまうと、何度も再発を繰り返してしまう恐れがあるのが厄介です。

再発性が高い状態にある場合、アクシロビルなどの治療薬を一年ほど投与することで、再活性化を防ぐ治療方法が行われています。

水痘・帯状疱疹ウイルスは水ぼうそうの原因

単純ヘルペスウイルス以外に馴染みの深いものとして、水痘・帯状疱疹ウイルスが挙げられます。これは水ぼうそう(水痘)や帯状疱疹の原因となるウイルスで、高熱を伴うこともあるため、皮膚の水ぶくれ以外にも症状が出やすいものです。

2014年より日本では予防接種が義務付けられ、1歳から2度のワクチン接種が実施されるようになりました。

水ぼうそうとの原因と聞くと、なんとなく大人には関係ないウイルスに思えるかもしれません。しかし、その名が示すように帯状疱疹などの原因にもなっているので、大人であっても水痘・帯状疱疹ウイルスは油断できないものです。

帯状疱疹は帯を巻いたように皮膚にヘルペスが生じ、水ぼうそうと同じく高熱が発生するだけでなく、患部に痛みが生じるのが特徴です。

高齢者が感染すると重病化する恐れもあることから、2016年より日本でも50歳以上を対象にして、予防接種が認められるようになっています。

いずれも単なる皮膚病ではなく、高熱・痛みといった症状を引き起こすものですから、一度完治してしまえば免疫機能が強く働いて、再発することは少なめです。

それでも人によっては何度か再発することもありますので、予後の観察についてはきちんとしておく必要があるでしょう。

その他にもヘルペスウイルスは5種類が存在

ここまで単純ヘルペスウイルス(1型・2型)と、水痘・帯状疱疹ウイルスについて解説させていただきましたが、国内で感染例が多いウイルスは以上となっています。

それぞれ順番にHHV-1、HHV-2、HHV-3という名称がつけられています。HHVとはヒトヘルペスウイルス(human herpes virus)の頭文字を取ったもので、3番目までがメジャーなものであると認識しておいてください。

他にもHHV-4がエプスタイン・バー・ウイルス、HHV-5がサイトメガロウイルスとなっており、HHV-6(AとBの2種類)とHHV7がロゼオロウイルス属と呼ばれるものです。

HHV-8のラディノウイルス属については、それ自体は症状を引き起こすことは少ないのですが、エイズなどの原因で免疫力が極端に落ち込むとカポジ肉腫を発生させる原因となります。

名称 分類 主な症状
単純ヘルペスウイルス HHV-1(1型) 口唇ヘルペス、角膜ヘルペスなど
HHV-2(2型) 性器ヘルペスなど
水痘・帯状疱疹ウイルス HHV-3 水ぼうそう、帯状疱疹など
エプスタイン・バー・ウイルス HHV-4 伝染性単核症
ロゼオロウイルス属 HHV-6A 突発性発疹
HHV-6B 突発性発疹
HHV-7 突発性発疹
カポジ肉腫関連ウイルス
(ラディノウイルス属)
HHV-8 カポジ肉腫

 

いずれにしても、通常の免疫力があれば発症することは稀ですので、最初に紹介したウイルスたちと比べて症例は少なくなっています。

それでも潜伏期間中、極度に免疫力が落ち込むようなことがあれば、上の表で示したような重い症状を起こす可能性があることを覚えておきましょう。

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